PTAの講演会での出来事、新型インフルエンザが騒がれていた4~5年前のことだったが保健所の職員を講師に呼んでインフルエンザについてのセミナーが開かれたときの話。保健所の講師はとても詳しくインフルエンザについて解説をしてくれて、予防対策や感染が疑われた時の対応、お薬についても「インフルエンザに効くお薬は病院でしかもらえません」等と説明をしてくれました。しかし最後に「何か質問は?」と言われて若いお母さんが「先日置き薬の人が”この薬はインフルエンザにも効きますよ!”と言っていたのですがあれはウソですか?」という質問が出たのです。インフルエンザの薬は病院でしかもらえない、と言った保健所の人と、置き薬がインフルエンザに効く、と言った配置薬の営業の人。どちらが正しいのでしょうか?実はどちらも間違っていなかったと思うのです。
インフルエンザに効くお薬とは?
インフルエンザに効くお薬と言うのは、抗ウイルス薬といって病院でしかもらえません。
抗インフルエンザウイルス薬とは?
タミフル(飲み薬)
リレンザ(吸入薬)
イナビイル(吸入薬)
ラピアクタ(点滴薬)
そして今年新発売されたゾフルーザ(飲み薬)です。
講演を聴きに集まったのは60名くらいのお母さんたちでした、
市販薬や配置薬でインフルエンザの薬なんて聞いたことがない保健所の講師の人は、「そんなことはないと思いますが・・・」と答えていました。
インフルエンザに効く置き薬とは?
漢方薬に麻黄湯(まおうとう)というお薬があります、これは医療用と市販薬とあるのですが成分量は一緒です。特に医療用の添付文書の効能または効果の説明に
インフルエンザ(初期のもの)
という記載があって厚生労働省がインフルエンザでの効果を認めている、という事になります。正確に言うとインフルエンザによる症状に効く(悪寒・発熱・頭痛など)というこなんでしょうが、日本臨床内科医会インフルエンザ研究班のデータではタミフルでも麻黄湯でも飲み始めてから熱が下がるまでの時間は差がなかった、という報告もあるので効果があると言っても良いでしょう。
市販薬も同じ成分量ですが添付文章にインフルエンザの記載はありません。でも配置薬の営業マンはとても物知りですからこのことを知っていて教えてくれたんだと思います。麻黄湯だったかどうかはわからないのですが添付文書に”インフルエンザ”という単語が入っている医薬品はあるのです。
配置薬の人は結局ウソつきになってしまった
解釈の違いでどちらもウソを言っていたわけではないと思いますが、私の出る幕もなく配置薬の人がウソついたみたいな空気になってしまい、訂正してあげれなかったのが今も悔やまれます。次回配置薬の人が来たら責められるんじゃないかとか、いらない心配をしていましたが、百戦錬磨の営業マンなら、きっとそんなトラブルもチャンスに変えて切り抜けてくれただろうと思っています。
まとめ
なんだか季節外れな話ですが、なんだかふと思い出したので、そんなこともあったな―と思って書いてみました。麻黄湯ですが、基本的に体力がある人に使われるお薬なので、体力を消耗しきっている場合などは症状を悪化したりしますので、症状が重い時は受診しましょう。
雑談にお付き合いいただきありがとうございました。
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