インフルエンザの予防注射以外で予防に意味ありそうな方法。

暮らし

インフルエンザにかからないための工夫について、医療現場でも習慣的に使われている方法を織り混ぜながら紹介したいと思います。インフルエンザの季節が近づいてくると、インフルエンザワクチンの接種を勧められる機会も増えてきます。特に子供やお年寄りは予防注射をしていたほうが安心なので勧められると思います。しかし働き盛りの忙しい人たちには、体力があって、いままでもそんなにインフルエンザで苦しんだ体験がなければ、自分のことは後回しで結局受けなかった、なんていう方も少なくないでしょう。予防接種をしてもインフルエンザにかかることはあります。注射した人もそうでない人も、インフルエンザにかからないようにする注意は大事だと思います。これまでなんとか乗り切ってきたという自負があっても、うつされないに越したことはありません。そんな注射以外の予防について書いてみたいと思います。

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インフルエンザ予防の基本、手洗い マスク。

手洗い

インフルエンザだけではありませんが、手洗いが需要なのはご存知だと思います。手は一番いろんなところを触ります、トイレ、スイッチやドアノブ、テレビのリモコン、キーボードそれから自分の体、頭や顔など、手が汚れていれば生活空間をどんどん汚染してしまいます。最近Twitterで話題になった、一発で風邪をひく原因が”指で鼻をほじる”だというツイートが印象的でした、わざわざ指についている菌を粘膜に植え付けるような行為ですから最悪な行為ですね。まず家についてから手をきれいにするだけで衛生度はかなりアップするでしょう。
正しい手の洗い方は
1.まず流水で汚れを洗い流し、湿らせる。
2.せっけんなど泡立ててから20~30秒手を良くこする。
  手のひら→手の甲→指の間→爪先→手首
3.洗い流すのも20~30秒、同じように手をこすり合わせて泡を良く落とす。
 冷たいと水だとどうしても洗う時間が短くなりがちなのでお湯の方がいいでしょう。時間の感覚ですが、実際やってみると20~30秒は長く感じます。何か好きな曲の好きな部分を鼻歌で歌いながら洗うと良さそうです、子供たちは学校で♪ハッピバースデーを2回歌うよう指導されてきました。
正しい手の洗い方はこちら

マスク

マスクはガーゼタイプと不織布(ふしょくふ)製の使い捨てタイプがあります。ガーゼは保湿性が高いので、のどの乾燥を防ぐのには向いています、のどの粘膜が潤っていないと、ウィルスを防御できず感染しやすくなるので保湿性も大事です、家にいるときや限られた空気のきれいな環境ではお勧めです。外出先など外で使う場合は不織布製の方が、フィルターとしての性能が高いのでお勧めです。小さな粒子もキャッチするのが得意なこのタイプのマスクは正しく装着するのが大切です、上はきちんと鼻までかくれるように付け、下はあごまで伸ばします、顔に密着するよう鼻のところにワイヤーが入っているタイプはしっかりと顔のラインに合わせて曲げましょうどんなタイプのマスクもすき間が出来ないようにつけるのがポイントです、吸い込む空気が100%マスクのフィルターを通ってくれるのが理想です。おしゃれにかけるためにあまり顔に密着させないでつけている人がいますが、まったく意味がありません。また途中でマスクをはずしたり付けたりするのは良くないですが、外した時は表面にも内側にも触らないよう注意しましょう。

インフルエンザの予防対策、学校、職場で。

うがい

 外に出たときは第一にうがいです、のどについたばい菌を洗い流すのはとても重要です。のどなどの粘膜についたインフルエンザウィルスは約20分で体内に入り込んでしまうと言われています、ということは、20分ごとにうがいが必要?それは理想ですが、実際にずっと空気中にウィルスがいるわけではなく、インフルエンザにかかった人が咳、くしゃみをしても、飛び散るのは2m以内と言われてます。(新型インフルエンザの感染を広めない為の対策として、病院の待合室で患者を2mずつ離して座らせていればインフルエンザは広まらないのでは、と提案した医師がいました。)なので、学校や職場の中に怪しい咳をしている人がいなければ、あまり神経質にならなくても大丈夫です、もしいても、本人にマスクをしてもらったり(咳エチケットですね)、自分もマスクをしていれば二重のフィルターになります。

お茶

 一時期お茶にはインフルエンザの感染を防ぐちからがあるといわれ、小学校でも緑茶うがいなどと言って子供が毎日うがい用の緑茶を持って登校していた時期がありました。いまはあまり聞かなくなりましたが、実際に緑茶を摂っていた人がインフルエンザにかかりにくかった、と言うデータがあります。インフルエンザウイルスは飲みこんでしまっても胃酸で消化されて感染はしないので、こまめなうがいが出来ないときは、緑茶をお勧めします。私もインフルエンザの流行期間には1日に数十人の患者さんにお薬の説明をしますが、患者さんに会った後20分以内にうがいをしたりお茶を飲んだりして、それ以外はずっとマスクをしています。

アルコール消毒

 学校や職場では決まった時間にしか手が洗えないこともありますね、ゆっくり手を洗えなかったり、水道がないときはアルコール消毒も有効です。インフルエンザウィルスの場合、60%以上の濃度のエタノール(エチルアルコール)が有効なので職場などに置いてもらったりまた個人で携帯用のエタノール液(ジェルタイプなどもある)を使うのもいいでしょう。エタノールは結構安価です、消毒液として他の薬剤が入ったりするとドンドン値段が上がりますが、エタノールだけなら500ml300円位の商品があります。
アルコール消毒で注意が必要なのは、当然引火性があるのと、ぬれた手で使うと濃度が薄まって効果が減ってしまうのと、ノロやロタウィルスには効かないところです。これらのウィルスには次亜塩素酸が効果がありますが、手には使えないのでノロまで考えるとやっぱり手洗いとアルコール消毒、となってしまいます。

手を首より上にあげない!

 医療の現場で使われる感染予防の方法の一つです、何のことか意味が分からないかもしれませんが、人は結構普段から髪や顔を触ることがあります、感染を防ぐ意味では、感染経路の目、鼻、口のそばに手を持って行くのは好ましくありません、ですから意識して”首より上に手を上げない”ことで感染が広まるのを防ごうという方法です。つい「あ!」とやってしまうことが多いです、ぜひ試して見てください。

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家の中で出来る対策。湿度、除菌、消毒、

 もし子供など、家族がインフルエンザにかかってしまい休んでいるときはどうしたらいいでしょう?当然、部屋は別にする必要があります。本人も家族もマスクをする必要があります、最低でも感染した人がいる部屋に入るときには必ずマスクをしましょう。

湿度

インフルエンザウイルスは空気が乾燥していると広まりやすいと言われていますので加湿器や、なければ濡れたタオルを部屋に干すなどして湿度を上げましょう、最低でも40%以上は欲しいです。詳しくはわかっていないようですが、空気中の水分が多いとインフルエンザウイルスが飛び回る邪魔をするので広まりにくくなるようです。

除菌・消毒

 正確に言うと、ウィルスなので「除菌」ではないのですが、イメージ的に言うとそんな感じです。先ほどの通り、60%以上のアルコール消毒が有効ですので、手以外の物の消毒にも使えます、また物に使うのであれば次亜塩素酸水の方が、ノロやロタなどの他のウィルスにもひろく効果があるのでおすすめです。

ゴミ箱にふた!

 厚生労働省がすすめる予防のひとつ、患者が鼻をかんだりくしゃみを抑えたりしたティッシュを捨てるときにはフタ付きのゴミ箱に捨てることを勧めています、フタ付きがなければビニール袋に入れて口を閉じておきましょう。
 子供がインフルエンザになったときは、一人にすることはできません(異常行動の危険があるので)発熱から2日位は目を離さないようにと言われたことがあるかと思います。日中は目の届くリビングなどに寝かせても構いませんが看病している方はあまり近づかないようにしましょう、また添い寝が必要な小さなお子さんの場合はお互いマスクをして寝付いたらうがいをしてから再度マスクをして、同じ部屋でも少し距離をおくようにして寝ましょう。顔を合わせるような位置には寝ないようにするなど、工夫しましょう。この時にお子さんには発熱、発汗のためにスポーツドリンクなどを用意すると思いますが、看病する人も緑茶を持っていき、気になると時に飲みましょう。

まとめ

 予防注射が意味がないと思っているひとが結構いますので、それについていうと、意味はあります。ワクチンによってインフルエンザになる人が5分の1になったり、重症化を防ぐ効果もあるというデータもあります。体の弱い子供、老人、喘息などの呼吸疾患を持っている人は特に重症化しやすく、重症化すれば命にかかわります。
 実際には家族に感染者が出てしまうと防ぐのは難しい感じがしますが、出来ることはやっておきましょう。普段から睡眠を良くとって、体力、免疫力をつけておくのも大事です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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