COPDという言葉を聞いたことがあるでしょうか?日本語で言うと
『慢性閉塞性肺疾患』と言われ、たばこの煙や有害物質を吸い込むことで
肺に慢性的な炎症が起きて空気の通り道が狭くなってしまう病気です。
呼吸困難というと”息が吸えない”イメージがわきますが、実際には
“息が吐けない”症状で、吐ききれず残った空気のせいで肺は膨れています。
また合併症で骨粗鬆・筋力低下・心臓、血管の病気・胃腸症状・抑うつなどが
知られています。
COPDになる原因は何か、どんなことに気をつければいいのか
分かりやすく簡単にお伝えします。
COPDの原因
たばこの煙
やはり喫煙が一番の原因となっており、COPDの9割が喫煙者で、
喫煙者の約2割の人がCOPDになると言われています。
大気汚染
大気汚染と言うと、PM2.5が有名ですがPM2.5と言うのは粒子のサイズを
表していて、肺に吸い込まれたときに、このサイズの粒子が一番肺の奥まで
到達するので問題になっています。
大気汚染物質がこのサイズになったとき人体の一番奥まで入り込むので問題になりますが
逆手にとって、お薬の粒子をこのサイズにした吸入のお薬もあります。
呼吸器感染症
かぜや肺炎、インフルエンザなどは症状を悪化させるので注意が必要です。
その他、遺伝的な原因もありますが日本ではまれなケースです。
COPDは治る?治療方法は?
COPDはいくら治療しても”これで治った”と言うことはありません。
何年もかけてゆっくりすすむ病気の為突然治ることはありません。
結論を言うと”治りません”。
治療とは、それ以上悪化しないようにするための方法です。
禁煙
まず第一に禁煙が重要です。禁煙が一番効果が高く寿命も伸びることが
分かっています。
お薬
・空気の通り道を広げるお薬。
・炎症を抑えるお薬。
・痰の切れを良くしたり、出しやすくするお薬。
・感染症を予防するためのお薬。
などを組み合わせて使います。飲み薬だけじゃなく、吸入するお薬もあります。
お薬以外の治療
COPDは動くと息切れしてしまうので、あまり動かなくなると、
筋力が低下してしまいます。さらにCOPDそのものが骨格筋に異常をもたらすため、
さらに呼吸機能を弱めてしまう傾向があります。
呼吸のリハビリテーションや栄養管理などのお薬以外の方法での治療も重要です。
COPDで注意すること、出来ること。
COPDの治療では一番大事なことは禁煙と言いましたが、
最も気を付けなくてはいけないのは『急性憎悪』です。
急性憎悪とは急激に症状が悪化することで風邪などが引き金ねなっています。
ちょっとした風邪などは問題ありませんが、呼吸困難や咳、痰などの症状が
悪化した状態を何回経験したかによって予後が変わってきます。
もちろん一度もそんな状況にならないようにすることがベストです。
特に肺炎球菌やインフルエンザなどワクチンのあるものはすべて受けておくべきです。
お薬に関しては、飲み薬はきちんと飲めば問題ありませんが
吸入薬についてはきちんと吸えているか、方法が間違っていいないか、
時々確認しましょう、間違った方法では効果が得られません。
まとめ
COPDの患者数は増加傾向にあり、今までは男性に多い病気でしたが、
喫煙との関連性が高く最近では女性の患者も増えてきています。
心臓病や癌等よりも気軽に考えられている傾向がありますが、
治らないと言う点においてはそれらと同等、もしくはそれ以上の重病であると思います。
きちんとお薬を飲んで、病院での指導をまもることが大事です。
(参考文献:COPD診断と治療のガイドライン第4版)
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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