こよみの話の時に、なぜ英語で10月がオクトーバーというのか
(オクトーバー=オクト=ラテン語の8,オクトパス=たこ=8本足)
そんな話題を聞いたことがある人もいると思う。
「昔、ローマの偉人が自分の名前の月をむりやり作ったので、
月がずれてしまい合わなくなってしまった。」
というような話ではなかったろうか?
自分の子供が英語を習い始めて同じような話題になったので
調べてみると、昔聞いた話はどうも間違いのようだ。。。。
英語の月名の由来
ローマ初期のこよみは現代の3月が最初の月になっており、
1年間も10ヵ月しかなかったのです(ロムルス歴)
そしてこの最初の月(マルティウス=マーチ=現在の3月)から数えて
何番目の月かで呼ばれていたのです。
例えば
現在の9月September:ラテン語で7を意味する「Sept」
現在の10月October :ラテン語で8を意味する「Octo」
現在の11月November:ラテン語で9を意味する「Novem」
現在の12月December:ラテン語で10を意味する「Decem」
のようにです。
前半の月は、ローマ神話の神の名前が使われており、
何番目かを表す言葉ではありません。
春になって農作業が始まる時期にその年の最初の日を定め
その後は、こよみに従って進めていたようです。
農作業のない冬の時期、約2ヵ月は日付がなかったのです。
英語の7月、8月の月名の由来
では、昔聞いた話は何だったのか?
これは、
7月はJuly=古代ローマの政治家:ジュリアス・シーザー(=ユリウス・カエサル)
にちなんだ命名。
ジュリアス・シーザーはユリウス暦というこよみを作った本人で、
自分の生まれた月の名前を、自分の名前に改めたのです。
個人的な感想では、、
6月のJune=ローマ神話の神の名。の次が自分の誕生月、
しかも読み方の似ている自分の名:Julyを入れるとは
ちょっとしたしゃれだったのでないかと感じてしまいます。個人的感想です。
8月はAugust=ローマ初皇帝Augustus(アウグストゥス)にちなんだ命名。
この人はシーザーの養子でした。
シーザーに対抗して8月に自分の名前をつけて、
最初30日だった8月を7月に負けないよう31日とし、2月から
その分を差し引いた、と書かれた本もありますが、真相は不明です。
この後も、歴代皇帝が自分の名前を付けようとしましたが定着せず、
残ったのはこの最初の二人の分だけです。
つまり、自分の名前を月の名前にした人はいたけれど、
2か月ずれているのはそのせいではなかったという事です。
日付のなかった冬の2ヵ月は、2代目ローマ王によって名前が付けられ、
それまでの10ヵ月の後ろに足されて1年が12ヵ月になります。
(現在の3月から始まり2月に終わるこよみになります。)
そして1年のずれを調節するように最後の月だけ28日や29日になったのです。
つまり、かつては1年の最後だった2月だけ調節のため短い月になったのです。
ジュリアス・シーザーの話は、それから約700年弱後の話なのです。
こよみの歴史
このローマの暦は、最終的にグレゴリオ暦という現代の標準のこよみになります。
そして宗教の広まりと一緒に世界で使われるようになりましたが、
異教の地では導入が遅れたり、そのまま自分のこよみを使っている国もあります。
エジプトではローマより先に、1年間が365日であることを知っていました、
その他には、マヤ暦も有名なこよみのひとつですね。
現在、世界で使われている西暦はなんといきなり532年から始まっています。
イエスキリストの生誕から500年以上もたっていては何が正しいのかわかりません。
日本でグレゴリオ暦が導入されたのは1873年(明治6年)でした。
それまで日本は天保暦という暦を使っていました。
現在、旧暦と呼ばれるのは、この天保暦のことです。
まとめ
“こよみ”について、調べれば調べるほど奥が深くきりがなかった。
ただ毎日数えられていく年月というのは止まることがないから、
何千年たってもその影響が色濃く残っているのがとても不思議だった。
昔の人も、悩みながら苦労して年月の謎を解いていたんだなぁと。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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